『人の話を聞かない私が、耳を傾けた理由』

JAXは脚に自信があります!
小学生の頃から地域の陸上クラブで県代表選手、中学校では全国大会で3位、高校インターハイはベスト12位、大学時代は日本選手権に出場…
つい此間だって、息子の幼稚園の運動会で2人も抜いたんだからw
「お疲れ様!」
誰かが声をかけてくれる度に思い出す。
中学時代の陸上成績が認められた私は、高校はスポーツ推薦にて名門校に入学。
専属のコーチが付き、管理されたグランドの中で、 日本を代表する選手たちと共に練習に励む…
こんなに恵まれた環境って、そうないよねって今では思う。
入学してしばらくは、コーチの話を全く聞かなかった。
自分で練習を組みたてる事ができたし、
自分に甘い訳でもない。
その方法で実績を積んできたし、現に記録も伸びていた。
これで自分は十分なんだって。
高校2年が終わるころ、記録が思うように伸びず、悩み苦しむ自分がいた。
「お疲れ様!」
レースが終わるたびに声をかけるコーチに苛立ちさ え覚えた。
次第に気性も荒れ、言動や行動にも乱れが出てきた。
高校3年を迎えたある日、学校の校則を守らなかったことで、問題となった。
監督に呼び出され、今シーズンの出場停止処分を受ける。
その数週間後には、高校最後の競技に繋がる大切な試合を控えていた時、
「なんて愚かなことをしたのだろう…」
後悔しても、状況は変わらない。今大会は見送らざるを得なかった…
「ちょっとついてきなさい」
コーチが腕を引っ張り、監督室に私を連れて行こうとした。
その片手には確かにバリカンを握っているのが見えた。
「丸坊主にして許しを請うのか…」気持ちの整理もつかないまま監督室へ
入るとすぐコーチが監督の目の前でバリカンに電源を入れた。
哀れな自分に言葉も出ず、現実逃避に目を瞑ろうとしたその時、
コーチが自分の髪を、自分で剃り落としているのを見た。
黙って、肩まで伸びた自分の髪を、落としているのを見た。
コーチは女性だ。
涙が、止まらず、むせび泣く声と髪を剃り落す音とが部屋で響いた。
「私の責任です。もう一度チャンスを与えて下さい。私が責任を持って、この子をトレーニングします。」
黙ってうなずいた監督をあとにし、私はそのシーズンの出場権を手にすることができた。

それからというもの、コーチが出す練習メニューは喜んでこなした。
それは、コーチが私の為にメニューを考え、
また応援してくれる存在であることが分かったからだ。
「『もう十分である』と言う者からは、彼らが持っているものさえも取り上げる。」
(モルモン書 2ニーファイ 28:30)
自分の力を過信し、誰の話も耳にしなかった私が、 コーチの練習を受け入れた時、
そこには自分に必要な新しい発見が沢山あった。
記録も伸び、納得のいくシーズンを終えることができたのだ。
「お疲れ様!」
深く帽子を被ったコーチの掛け声は、誰よりも温かく心に響く。
人は「仕えたこともない主人を,どのようにして知ることができようか」
(モーサヤ5:13)
大切な人の教えやアドバイスに従順になることで得られる祝福は、
自分が想像していた以上の価値をもたらす大切なレシピかも☆彡



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