飛ぶネコは、子どもらの通う小学校で
ボランティアをしています。
美術の先生のお手伝いで、
生徒の描いた作品を展示したり、
それを回収したりしています。
絵心はないですが、
美術作品の鑑賞が大好きな飛ぶネコにとっては
とても楽しいお手伝いになっています。
特に、知っている子の作品には
非常に興味をそそられます。
「あ~、作品にあの子の性格が表れているなぁ」
「へぇ、この子は、こんな表現ができるんだぁ」
と、作品を展示しながら思うわけです。
廊下の壁に作品を展示している飛ぶネコの姿が
そこを通る先生方の目に良く留まります。
大抵、挨拶を交わして終わりですが、
「今日も見やすく絵を展示してくださってありがとう」
と、飛ぶネコの仕事ぶりを褒めるお言葉をくださる先生、
「この作品は、ちょっと興味深いわね。」
と、作品に対してコメントしてくださる先生、
「この間、こんなことがあったのよ。」
と、つかの間のおしゃべりに誘ってくださる先生。
この先生方をよく見ていると、
他の先生にも生徒にも、同じように
何かしら声をかけていらっしゃるんです。
人のことを気に懸けて、なにかいい事を言おうと
心がけていらっしゃるのか、
それとも、それが自然とできるお人柄なのか。
この先生方のやっていることを観察し、学べることが
このボランティアの仕事を一層貴重な経験にしています。
レオ ブスカーリアという教育学者がこんな事を言っています。
『触れ合い、笑顔、気さくな言葉、話を聴く耳、
心からの褒め言葉、人を気に懸けた些細な行為。
これらの行為が生み出す力を見過ごしていることの多い私たち。
でも、どれも人生を変えるほどの力を持っているのです。』
話下手が弱点と自称する飛ぶネコですが、
先生方の模範に感化されて、
誰かのことを気に懸けることから始めてみようと
勇気をもらっています。