お医者さんと子育てレシピ

先日読んだ興味深い記事。
患者によりよいケアを提供するために
医師に求められているスキルを訓練するという記事でした。


最初に、お医者さんのお悩みについて。
義務的、ビジネス的に患者さんに対応するのではなく、道徳的、人道的な対応をしたい、
というのが多くのお医者さんが望んでおられること。
しかし、それとは裏腹に、次々と訪れる患者さん全員を診察し対応するには、
医師が患者一人に対して取れる時間は、わずか数十分。
その間に、患者の病状、病歴、処置等のたくさんの情報を処理しなければなりません。
もし、道徳的、人道的な対応を考慮しなくてよいのなら、
今の時代、情報処理のプロ=コンピューターが医師に代わって診察をする、
なんていうことが起り得るかもしれません。


患者の身体的な症状に対して同情、共感を表現するだけでなく、
彼らの精神面での必要に対しても同情、共感を表現することを
多くの医師が非常に重要視しているのには、次のような理由があります。
人は年に数回のみ『患者』になるかもしれませんが、それ以外は、『人』として生活しています。
その『人』としての部分に理解をしめすことで『患者』として扱う代わりに、
彼らに『人』として接することができる。
それが、医師と患者の満足度の向上につながるという理論です。


『人』と関わる職業である医師を良い形で全うしたいと思う反面、
限られた診察時間のどこに、病状の診察に加えて、
患者の人生を理解するような質問を投げかける時間があるのでしょうか、という悩みが出てくる訳ですね。


あれ?これって、どこかで聞いたことのあるような悩み。。。。
実は、飛ぶネコ、子育てをしながら同じような悩みを抱いていることに気がつきました。
母という職業(とここでは呼ばせてもらいます)は
24時間という限られた時間の中でやらなければいけない業務がたくさんあります。


目覚めと共に、キッチンのコンロに火をつけ、シェフとして朝食の支度。
その後、ウェートレスとして子どもたちに朝食をサーブし、
キッチンヘルパーとして、皿洗い。


子どもを送り出した後は、ハウスクリーニングの業務が山ほど待っています。
片手で掃除機を操作しながら、もう一方の手は洗濯機を操り、
気がつけばあと1時間で子どもらが帰宅という時間。
その前に、慌てて買い物を済ますべく出かけていきます。


帰ってくれば、食事の準備をしながら、
教師になって、子どもの宿題を見たり、
裁判官になって、子どものケンカをなだめたり、
転んで膝をすりむいた子どもの手当てをする看護師になり、
その間、お腹が空いたと泣き叫ぶ子どもの過剰な要求を処理すべく
急いで食事を盛り付けて運んでいくところなんか、
行列のできるレストラン並みの忙しさです。


会話の行き交う食卓についている間にもアクシンデントが起こり、
非常事態に対応しながら子どもをなだめる姿は、救急隊員に引けを取りません。
更に、子どもたちの十分な睡眠確保という任務を遂行するため、
計画通りの時間に就寝させようとする過程では、
精神的に緊迫した状態が入浴、歯磨きの介護にまで及びます。


こんな風に各種の”業務”を何役にもなって必死でこなす飛ぶネコ、
どうしても目が吊り上がり、口が真一文字になってきます。
「今日あった楽しいことを聞かせてよ。」っていうフレーズが出てこない精神状況です。
子どもと座っておしゃべりしたり、一緒に笑ったりする時間。。。。
ホントは、それが大事だと感じているのです。
それなのに、次から次へと押し寄せてくる膨大な量の業務にアップアップ。
もっと笑顔で母業を楽しむにはどうしたらいいのかしら?
というのが毎日の悩みでした。

 

Salvaor Dali - motherhood.jpg!Blog
Salvaor Dali – motherhood


前述の医師の記事は、時間の制限と必要なケアの提供という一見反比例する事柄を
様々なアイディアを駆使して同時に行なえるように訓練するというものでした。


「会話、アイコンタクト、笑顔、表情での意思疎通、肩に触れる、握手をするなど、
医師が自分でこれならできるという方法で相手に共感を示しましょう。
これらの些細な事に時間を割けば、患者との間に信頼関係が生まれ、
結果、自身に対する扱いに満足していない患者から、必要ではない電話や診察要望を受けることが無くなり、
長い目で見れば、自分の業務を全うできるようになるのです。」という結論でした。


なるほど。
不満っていうのは、相手への配慮の欠如がもたらすものなんですね。
忙しいけど、大事にした方がいいと感じていることを優先した方がいい。
それは、少しの愛情表現でできること!
しかも、それを実行することで母業を全うしたいと思っている飛ぶネコと
母から愛されたいと思っている子ども両方の満足度が上がるのです!

お医者さんたちのお悩み解決の記事が、飛ぶネコの育児のお悩みをも解決してくれた一件でした。


記事の全文はこちらからお読みいただけます。
The key to patient satisfaction in the health care system
Read more at http://national.deseretnews.com/article/4963/The-key-to-patient-satisfaction-in-the-health-care-system.html#MxR0C0XrJM6bvXD2.99

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